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 GIRL FRIEND  thee mishelle gun erephant

 先日、米カリフォルニア州で生後7ヵ月ほどの我が子を窓から宙づりにしながら何事かを叫んでいる男の映像を見た。窓といっても建物の2階だか3階だかの窓で、もちろん幼子が落下して助かるような高さではない。エスカレートした揚句に自分の子供にナイフを突き付けることになったこの父親が法廷で争っているのは、他ならぬこの、片手で地上からはるか高みに吊り下げられたオムツ姿の赤ん坊の親権だと云う。 言葉を失った。

 現在わが国では1年間に約60人以上の幼い命が虐待により失われているという。1カ月平均では約5人、1週間に1人の割合で大人による暴力や育児放棄により小さな命の灯がどこかで消えていくのだ。  更に驚くべきことに、このうちの8割がすでに児童相談所が虐待の事実を認識していたにも拘らず起こっていると云う。  来る日も来る日も、雨や雪の日でも、学校が休みの土曜や日曜でさえも、真っ暗になり誰も居なくなるまで校庭で独り遊ぶ子供を不審に思った教師が相談したというケース。わずか数か月の間に何度も不自然な骨折を繰り返す子供を診察した医師が、確信を持って早急な保護を訴えたケース。こういった場合でも、初めに相談を受けてからそれなりの時間があったはずだと思われるのに、児童相談所は子供の命を救う事が出来なかった。 一体何故なのか。 相談所の職員のインタビューというのを聞いて愕然とした。  相談所の職員たちがその与えられた権限により、積極的かつ迅速にその子供たちを保護しなかった理由は、「子供が嫌がったから」だそうだ。  何処の世界にロクに面識もない大人に「今日からお父さんお母さんと離れて施設で暮らしましょう」と言われて喜んで付いてくる子供がいるのだろうか。

 相談所の元職員の証言などによれば、そもそも相談所のトップとして赴任してくる署長ですら、望んでそこに来るわけではない場合が多々あるという。当然現場も腰砕けの事なかれ体制で仕事に臨むことになるわけで、両親とのトラブル覚悟で強硬な保護に打って出るなど避けるのが賢明という事になるのは明白である。 考えてみれば、状況は様々だがわれわれの暮らす社会では珍しくも無い光景だ。 本来こういった仕事に当たる人間こそ、容易く揺らぐことのない信念と自らを奮い立たせる行動力を備えていて欲しいと思うのは、私が世間知らずの甘ちゃんだからだろうか。ともあれ、自分の手で救う事が出来たかもしれない未来ある小さな命に対して、彼等はどう顔向けしてこの先人生を送っていくのだろうか。

 しかし、救いが無い訳でもない。現在地球上に埋められている地雷の数は1億とも2億ともいわれているが、遠くカンボジアの地でこの除去に私財を投げ打って取り組むひとりの日本人がいたりもする。彼は、「何故自分の命を危険にさらしてまでそこまでするんですか?」という問いに淀みなくこう答えた。「子供たちの笑顔が見たいからです。」

 この世界で最も醜く、或は最も美しく、其の色を変える事が出来る物は人間の魂に他ならないのだろうと、思う。

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