少し前のことなんですが、滅多に見ないテレビでギャル曽根ちゃんが高速道路のサービスエリアでご当地の旨いものを食べまくるってヤツがやってまして。・・何かギャル曽根ちゃん好きかも
って思ってしまいました。すっぴんは想像もつきませんが何でも美味しそうにモリモリ食べる子って好いわ。職業柄なんですかね。女性のグループにありがちなんですが、全ての料理をちょっとずつ残す方なんかいらっしゃいまして、遠慮しあってのことみたいですが、作り手としてはお皿に残って帰ってくるのを見るといささかがっかりするもんですよ。まァギャル曽根ちゃんおごりで飯に連れてってやる根性は有りませんが。
それでは、なんだか皆さん実名が出てるのが不安みたいですが、気にせず前回の続きに参りましょう。わが大家にして西那須野の暴れ猿、貞ちゃんの狼藉とは如何なるものか。
ある日、営業中にも拘らず僕とコージ君が厨房でイチャイチャしながらタロット占いなどに興じていると、突然ドアが開き、真黒いビニール袋を手にした彼が薄ら笑いを浮かべてはいってきた。「これやるから食ってみろ、ぐへへ。」そう言われるままに差し出された袋を手に取ると、何やらずっしり重たい。1日に2箱は召し上がるというバナナの皮でもくれたのかと思い尋ねてみると、なんと中身は今日捌いたばかりの猪の内臓だという。・・・恐るべし、エテ公。フレンチなどではよく「ジビエ」と言われる野生動物の肉などが食材として使われるが、残念ながら僕もコージ君もそういった素材を使った経験も知識も無い。正直なところ奴自身ももてあまし気味でウチに丸投げしているのは明白だが、子リスちゃんのようにうろたえる我々にその不気味なビニール袋を突き返す術などない。「ありがとうございます
」と口のはじっこで無理やり笑顔を作る僕を残して、彼は立ち去って行った。
流石に営業中に馬鹿でかい動物の内臓を処理する訳にもいかないので、我々は閉店後にとりあえずわかる範囲で下処理などしてみることにした。何事も経験、やった事無いよりやってみて失敗したほうがいい、という超前向きポジティブ思考である。・・・しかし、やはりダメなもんは駄目なのだ。血腥い肝臓も異臭を放つ腸も、パンパンに膨れ上がり中から一体何が飛び出すか見当もつかない胃袋も、とてもじゃないがか細くナイーブで貧血もちの僕達の手に負える代物では無かった。
結局後日、小分けにしてそれらの臓物はゴミとして葬られ、われわれはそれからというもの彼が猟友会の蛍光色のベストを着て狩りに出かけるのを見る度に、防空頭巾を被り机の下で震える事になったのである。
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